リスペクト吉野家

昨年の牛肉ショック以来、豚丼カレー丼・鮭いくら丼などの新商品の投入でなんとか挽回を計ろうとする姿勢は伝わるのだが、やはり“牛”の威光が薄れた吉野家に足を運ぶことはとんとご無沙汰しておりだったら松屋でいーや派になってしまっていたのだが、やはり吉野家はさすがと本日改めて唸らされてしまった。


「牛鉄鍋膳」である。商品名だけでも思わず涎が出てしまう。しかも380円である。素晴らしい。店の自動ドアに貼られたポスターを見ただけでも感涙ものであった。薄底の重厚感ある黒鉄鍋の中、すき焼き風に盛り付けられた牛肉。確かに使用されている牛肉の量はかつての牛丼よりも少ないかもしれない。だが、あくまでこのメニューのメインは牛であることが、そのポスター上の写真からもひしひしと伝わってくる。そう、やはり吉野家は牛でなくてはならないのだ。


意気揚々と店内に入った私は店員に向かって声高に「牛鉄鍋膳、並で」と注文する。すると「卵は綴じますか? それとも生で?」。またまた感涙。卵の調理法を選択できるのである。実際、卵を綴じるか生で出すかなんて調理時間にして大差はないであろう。しかし、その選択権をあくまで客に委ねるこの姿勢。“牛の吉野家、ここに復活せり”という心意気を実感した瞬間であった。


出された「牛鉄鍋膳」を食す。うまい。その一言に尽きる。牛丼とは全く異なるアプローチではあるが、牛の旨さをこの安価で伝える料理としては新機軸を打ち出すものだと胸を張って言い切れる一品である。私の中で吉野家復活の狼煙が「牛鉄鍋膳」と共にあがった瞬間であった。


ただ、そこの店舗では運ばれて来るトレーが給食時のソレと同じようだったということのみいただけなかったにゃー。